部下を育てる喜びは日々感じていますね。部下が苦労を乗り越えて成長していく姿を間近で見ていると、まるで自分のことのように誇らしく思います。部下たちが初めてご契約を取ったお客様は、すべて覚えていますよ(笑)。

極論かもしれませんが、営業職にとって一番大切なのは“人間力”だと考えているので、“営業として”というよりも“人として”成熟していってほしいという思いを込めて教育しているつもりです。もちろん営業先に同行して、お客様との交渉のやり方など細かいところを指導することもありますが、そもそも根本的なお客様との向き合い方が理解できていなければ、信頼関係を結ぶことは難しいですからね。

服装や身だしなみがきちんとしていなかったり、挨拶や気遣いができなかったりすると、お客様に誠実さは伝わりませんよね。せっかく当社のサービスに関心を持っていただけたとしても、それを売る営業が信頼に足らないようでは、すべてが台無しになってしまいます。それはとても勿体ないことなので、基本を疎かにしないことの重要性を部下には丁寧に説明するようにしています。頭ごなしに叱っても理解してもらえないだけですから、「どうしてそれが大切なのか」という教え方を心がけています。

当社は3～4年前からCSR活動の一環で「ハチ公パトロール」という地域行事に参加しています。これは地域の町内会や自治会、警察署、消防署が主催する渋谷の街を清掃するボランティア活動で、地元の有志が集まり、ポイ捨てされているゴミを回収しています。

部下と一緒に参加することも多いのですが、もちろんゴミを拾うことで地域に貢献できるという意味がある一方で、地域の方との交流によって営業スキルを磨く機会としても有効なんですよね。それぞれバックグラウンドの異なる初対面の方と同じゴールを目指して行動し、会話をしながら親交を深めるって、まさに営業の仕事そのものじゃないですか。参加者の中には人生経験の豊富なご年配の方や、「少しでも街の環境をよくしたい」という気持ちのある方が多いので、一個人としても得られるものが大きいと感じています。こうした経験によって人間力が磨かれていくのではないでしょうか。

実際、この活動で知り合った近隣の企業や個人の方からご契約をいただいているケースも数多くあります。あくまでボランティアなので最初からそういった目的で参加しているわけではありませんが、結果的に企業イメージの向上につながったり、ご契約をいただけたりと、この活動を通じて出会えたご縁によって好循環が生まれていると感じますね。